還付申告 — 会社員が5年前の税金を取り戻す方法
年末調整で完結している会社員は、確定申告をする義務がありません。だからといって、払いすぎた税金が自動的に戻ってくるわけでもありません。医療費控除も、寄附金控除も、申告して初めて戻ります。
そして最大の誤解がここです。還付申告の期限は「3月15日」ではありません。国税庁のタックスアンサーによれば、その年の翌年1月1日から5年間提出できます。
チェックポイント
- 翌年1月1日から5年間提出できる
- 医療費控除とセルフメディケーション税制は併用不可。どちらかを選ぶ
- 保険金などで補てんされた額は差し引いて計上する
- 医療費の領収書は5年間保管が必要
1 何が戻るのかを見極める
代表格は医療費控除です。一年間に支払った医療費が一定額を超えると、超えた分が所得から差し引かれます。控除額の計算には上限があり、しきい値も定められています。金額は改正されうるので、国税庁のページで確認してください。
家族の分もまとめられます。生計を一にしていれば、同居していなくても構いません。通院の交通費も対象になります。
注意すべきは、保険金や高額療養費で補てんされた額は差し引くという点です。入院給付金を受け取ったのに、支払った医療費をそのまま計上する。これが最も多い誤りです。

2 ふるさと納税とワンストップ特例の罠
ふるさと納税をワンストップ特例で済ませた人が、医療費控除のために確定申告をすると、ワンストップ特例が無効になります。
つまり、確定申告書に寄附分も書き直さなければ、その分の控除は受けられません。医療費を取り戻そうとして、ふるさと納税の控除を丸ごと失う。これが実際に起きています。
確定申告をするなら、寄附金控除として寄附分もあわせて申告してください。

3 マイナポータル連携で入力を減らす
マイナンバーカードと、それを読み取れるスマートフォン(またはICカードリーダ)があれば、入力の大半を自動化できます。
マイナポータルで「外部サイトとの連携」を初期設定し、取得したい証明書(源泉徴収票、医療費、生命保険料、ふるさと納税など)を選んでおきます。次に確定申告書等作成コーナーで対象年分を選び、マイナポータル連携でデータを一括取得すれば、金額が自動で入ります。
あとは医療費控除の明細書を作り、マイナンバーカード方式で e-Tax 送信するだけです。審査状況はメッセージボックスで追えます。
4 よくある間違いと直し方
間違い 1
「還付申告は3月15日まで」と思い込む。実際は翌年1月1日から5年間。
間違い 2
保険金で補てんされた分を差し引かずに医療費を計上する。
間違い 3
ワンストップ特例を使った年に確定申告をして、寄附分を書き忘れる。
FAQ よくある質問
確定申告の義務がない会社員でも医療費控除で取り戻せますか。
できます。還付申告として、その年の翌年1月1日から5年間、いつでも提出できます。
セルフメディケーション税制と医療費控除は両方使えますか。
いいえ、併用できません。どちらか一方を選択して適用します。またセルフメディケーション税制の適用期限は2026年12月31日です。
ワンストップ特例を使った年に確定申告をするとどうなりますか。
ワンストップ特例が無効になります。確定申告書に寄附金控除として寄附分も記載しなければ、その控除は受けられません。
要点まとめ
- 還付申告は翌年1月1日から5年間できる
- 保険金などの補てん額は差し引く
- ワンストップ特例は確定申告で無効になる。寄附分も書く
- セルフメディケーション税制は2026年12月31日まで